ネパールとネパールのカレー(ダルバート)について
これはなんですか
この記事はEEIC Advent Calender の記事です(遅刻しました).
EEICとは,東京大学の電気系2学科の集まりのことです.
Advent Calenderとは, クリスマスまで一日ずつお菓子が入っていて毎日お菓子を食べて楽しむことが出来るカレンダー をモチーフにした,お菓子の代わりに面白い記事を一日ずつ公開して楽しむ風習です.
何故カレー?
僕が書ける他の人があまり書けない記事ってなんだろうと自問した結果,カレーになりました.
中々ネパールに行ってカレーを食べる人はいないんじゃないかと思ったので ネパールで食べてきたカレーの記事になりました.
ネパール
ネパールは,インドと中国の間にある国です.エベレストがあることで有名. 首都はカトマンズです.カトマンズも標高が1000mはあります.
地形的には北部にヒマラヤ山脈があり,南部に比較的低地の熱帯雨林があるという感じで 片屋根の形になってます.
ネパールはたくさんの民族が集まった国ですが,殆どの場合ネパール語が通じます. 英語教育も熱心で,小学生でも英語が話せたりします.
ネパールのカレー
ネパールのカレーはダルバートといいます.ダルとは豆が具のカレーです.バートは米です. なのでダルバートはダルとバートがある食事ということになります.
ダルバートは,ネパールではすごく一般的な食事です. 日本でいう米と味噌汁といった感じです(実際にはそれ以上だと思います).
詳説ダルバート
一般的なダルバートを紹介します.まずダルとバート(米)は必須です.そこにおかずとなる タルカリやアチャールがつきます.タルカリはカレー味の和え物や炒め物です.具材と味付けによって 色々なバリエーションがあります.タルカリは基本的には野菜となります. また牛肉は食べないことになっています.最近までヒンドゥー教が国教だったのでその辺の影響でしょう.
アチャールに移ります.アチャールは漬物やピクルスに相当するものです. 浅漬けのようにあまり漬け込まないものもあります.
少々値は張りますが,肉のタルカリを出すところもあります. 肉はチキン又はバフ(水牛)が多かったです.
ダルバートの味
日本で食べられるインドカレーと比較すると,あっさりとしており毎日食べられる感じがします.
どろっとしたカレーはなく,スープみたいなカレーが多いです (これは店で食べるか家で食べるかによるかもしれないですが). 又は殆どルーがないタルカリもありました(意外そうに書いていますが,タルカリ∩カレー≠φではあっても包含関係は無いです).
辛さは殆どありませんでした. 一度だけ日本のカレールーの辛口程度のタルカリが出たことがありましたが, それ以外は中辛よりも辛くないくらいでした.
いろんなダルバート
色々な家でダルバートをご馳走になったので紹介します.
お昼ご飯をご馳走になった時の写真です. サーグと言っていた緑の葉野菜の炒め物が特徴的でした.ここではアチャールが出ました.ペースト状なので何が入っているのか 分かりませんが,アンチョビのイワシの代わりにナッツを使ったような味でした.
ダルバートを食べる前に,パーパド(正しい読み方が分かりません.パパルかもしれないです)というクラッカーを出すところもありました.写真の左上にある薄いせんべい状のものがそれです.
僕が食べた時はかなり塩のきいた(岩塚製菓のふわっととか, 瑞花のうす揚 みたいな感じでより塩気の効いたイメージ)せんべいのような味でした.
上のダルバートはチトワンのホテルの夕食に出てきたもので,肉がついていて豪華であるのと,トマトやオニオンが入っていて 洋風になっている点が特徴的です.
これは夕食をご馳走になった時のダルバートです.骨つきチキンにスパイスの風味とピーマンの苦味が染み付いて最高にうまかったです. ゴーヤのタルカリはチーズのような風味がして美味しかった記憶があります.口直しにキュウリの輪切りをつまみながら,たくさん食べました.デザートにバナナも出てきて,至れりつくせりという感じでした(ありがとうございました).
ダルバートの食べ方
- パーパドがあれば食べながらダルバートを待ちます.
- まずダールを米にぶっかけます.
- ダールのかかった米を食べます.
- 時々タルカリも混ぜて味を変化させます.
米にダールをぶっかけるというのは独特だなと思いました. 現地の人はダールのかかった米を器用に手で食べていたのですごいですね. 僕は手で食べるのに挑戦しようとしましたが,ご飯がぼろぼろ崩れて掴めず結局スプーンで食べました.
ネパールのダルバートにまつわる風習
ダルバートをご馳走になる場合,
- 料理が美味しいことを示すためにお代わりをすることが推奨されます.
- そして,ネパールでは一度口につけたものは穢れたものとされるので食事は全て個別に取り分けられます.
- 最後に,ネパールでは(日本でもそうっちゃあそうですが,それ以上に)食事を残すことは良くないこととされています. これは,風習や習慣以上に,食材を買うのにお金がかかることと, 生ゴミを捨てることが難しいことが原因だろうと思われます.
これらの習慣が全てが組み合わさることで,少しお代わりをしようとしたら大量に盛られて(ないしもとから大量にあって) 腹いっぱいなんだけど残すことが出来ず,泣きながら食べるということが発生します(これはあくまで私が経験しただけであって,毎回そうなるという訳ではありません).
誠意を見せたら申し訳なさそうに腹をさすりながら「プギョ(おなかいっぱいだよ)」と言うと察してもらえます.
ネパールの電気水道事情
ネパールでは停電が毎日のように起こります.ある程度お金がある家であれば停電対策に蓄電池を買ってあることもありますが, そうでない場合はバッテリーで動く照明器具でしのいでいました.
水道も常に通ってるわけではありません.大抵の家には屋上にポリタンクが設置されており, 水が通っている間にためて普段はそこからの水を使っていることが多かったです(この写真にたくさんのタンクがあるのが分かるでしょうか).
災害の爪痕
ネパールでは,2015年4月25日にカトマンズの北西77km付近でマグニチュード7.8の地震がありました. 首都のカトマンズはその時に多くの建物が倒壊しました.僕が訪れた時には大体1年と4ヶ月ほどたっていましたが, 未だに災害の影響が残っているように見られました.
観光客街であるタメルではそこまで被害があるようには見えませんでしたが,ボダナート(世界最大級のストゥーパ)や, バクタプル(古都.王宮や寺院がある)は建物の復旧がまだ終わっておらず,ひび割れたレンガの壁を木で支えている風景がよく見られました.
早く復旧が終わることを願っています.
番外編(ダルバート以外の美味しかった食べ物)
ズーズーダウ
バクタプルではズーズーダウというヨーグルトが有名です.
固形のヨーグルトで,カスピ海ヨーグルトのような酸っぱさがあり, かつスーパーで売ってるヨーグルトでは食べた経験が無いぐらいの濃厚さがありました.
ネワリカジャ
ネワール族のおやつが起源とされるネワリカジャについても上げておきます.
お店で食べたバフ付きのネワリカジャです.特徴的なのはチュウラと呼ばれる干し米を揚げたものが中央にあることです. 噛みごたえがあり,顎の筋肉が鍛えられそうでした*1.
これもネワリカジャです.中央に白いフレーク状のものが載ってますがそれがチュウラです.
洋食
タメルというカトマンズの中でも観光客向けの街であればこのような食事を食べることもできます. しかし,このサンドイッチは約800円ですが,ダルバートであれば190円ほどで食べられます.
終わりに
だんだんまたダルバートが食べたくなってきました.東京に住んでいれば大抵の料理が食べれるので便利ですね.
ネパール料理が作りたい!と思った方は大津屋等の通販(店はアメ横にあります)で材料を揃えて,レシピはクックパッドなり本を買うなりすると作れると思います.一応ネパール料理の本を持っているので面識がある人だったら僕に言えば貸すこともできます(食べさせて下さい).
特にEEICとは関係無い記事になってしまったのですが,多様性を出すことに貢献したということでお願いします.
*1:因みに,バフも固い牛肉といった感じで噛みごたえがあります.